特集ワイド：戦争のバカバカしさ伝えたい 渡辺謙さんが考える俳優と平和 | 毎日新聞

ロシアがウクライナに軍事侵攻した2022年2月24日、俳優の渡辺謙さん（63）はハリウッド長編映画のロケでタイの奥地にいた。くしくも戦闘シーンの撮影初日だった。演技に入り込むほど、ウクライナ情勢が気になったという。侵攻からまもなく1年。渡辺さんに俳優業と平和への思いを聞いた。 それは、ギャレス・エドワーズ監督による近未来SF映画「True Love」（原題、10月公開見込み）の戦闘シーンの撮影だった。タイ西部にある世界で2番目に長い全長850メートルの木造橋「モンブリッジ」で予定されていた。 渡辺さんが回想する。「現地で朝、CNNを見ていたらロシアの侵攻が始まったと伝えていました。キーウ（キエフ）近郊で大きな砲撃があったと。現実の世界でこんなことが行われているのかと目を疑い、本当にショックを受けました」