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『希望学』:東京大学社会科学研究所 希望学プロジェクト
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『希望学』:東京大学社会科学研究所 希望学プロジェクト
鬼才・寺山修司がこの言葉を初めて眼にしたのは、彼が34歳になる1969年、学生紛争で荒れ果てた東京大学... 鬼才・寺山修司がこの言葉を初めて眼にしたのは、彼が34歳になる1969年、学生紛争で荒れ果てた東京大学法学部研究室内であった。「機動隊が、学生たちの最後の砦になっている安田講堂に向かい、ときおりガス銃を発射する音がこだましてくる」廃墟の中で、一人ぼんやり腰をおろし、ふと懐中電灯を照らした先に、この言葉があった。 「人類が最後に罹るのは、希望という病気である」という言葉を残したのは、『星の王子さま』を書いたサン=テグジュペリであった。彼は、いくつかの絵と文を書いた後、第二次世界大戦中、愛用の飛行機ごと行方不明になって死んでいった。荒れ果てた東大法学部の教室で出会ったこのサン=テグジュペリの言葉を、寺山はその後折りに触れて引用している。「大空に消えたこの飛行家は友人もいたし、愛すべき家庭も思想もあった。だが、私たちはこうした時代を通りすぎて、さらに長く生きながらえたばかりに、希望という病気にさ