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どの殺し屋が好きですか?『マリアビートル』伊坂幸太郎
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どの殺し屋が好きですか?『マリアビートル』伊坂幸太郎
「電車の中ってのは密室みたいなもんだよな」 彼は吊革につかまってゆらゆら揺れながら、ぼくに話しかけ... 「電車の中ってのは密室みたいなもんだよな」 彼は吊革につかまってゆらゆら揺れながら、ぼくに話しかけてくる。ぼくはうん、とひとまず彼に視線を向けた。 彼がいつものようににやにや笑っている。彼は大のミステリ好きで、密室だとかトリックだとかについて話すときはいつもその笑みを浮かべていた。 ぼくはひそかにため息を吐いた。ぼくもそれなりに小説を読むから、ミステリは嫌いじゃないのだが、彼は何しろ話が長いのだ。 ましてや、電車の中で立っている時には聞きたくなかった。スクールバッグがぼくの気分の分まで詰まったかのように重たくなった気がした。 「アガサ・クリスティのさ、『オリエント急行』なんか有名だよな。電車の中で事件が起こる」 電車が大きくぐらりと揺れる。ぼくの目の前に座って眠っているサラリーマンがううんと呻いた。けれど、目を覚まさない。よほど熟睡しているらしい。 「でも、事件が起こったとして、どこに逃げ