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戸籍という遺物 - 『戸籍と国籍の近現代史』
婚外子や夫婦別姓をめぐる議論をみると、自民党の自称保守には戸籍へのこだわりが異常に強く、「戸籍に... 婚外子や夫婦別姓をめぐる議論をみると、自民党の自称保守には戸籍へのこだわりが異常に強く、「戸籍にない通名を使うのが在日特権だ」というネトウヨに通じる面がある。機能的にほとんど意味のない戸籍がこれほど話題になるのは、それが「日本人」のアイデンティティの核にあるからだ、と本書は指摘する。 JBpressでも書いたことだが、現在の戸籍は日本の伝統でもなければ「家族の一体性」とも無関係な、旧民法の「家」制度の遺物である。古代に日本が中国から輸入した戸籍はゆるやかなもので、夫婦同姓も婚外子差別もなかった。 それを変えたのが明治維新だった。夫婦別姓が原則だった日本が大陸法を輸入して同姓を強制し、嫡出子の長男を戸主とする厳格な序列をつくった。そして天皇を頂点とするピラミッド構造の底辺にいたのが、被差別部落民や朝鮮人だった。壬申戸籍では、彼らは同じ日本人とされる一方、本籍地で差別されたのだ。 この特殊な戸
2013/11/28 リンク