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夜明け - 脊椎と雨音
静寂を塗り潰す雨音は乾いた猫の匂いがする。家の中でひとり聞くにはちょうどいい雑音だ。そしてふと気... 静寂を塗り潰す雨音は乾いた猫の匂いがする。家の中でひとり聞くにはちょうどいい雑音だ。そしてふと気づいたときには消え失せている。飼い慣らすことのできない夕暮れの街角。私はカーテンも開けずじっとしている。窓越しの気配は生ぬるい温度を持っていて、私の時を蝕んでゆく。 猫の気配が去って犬の遠吠えが聴こえる頃。空の半分は塗り潰されて炭酸を溢したような星が見える。それは私の想像で、子供の頃の記憶の再現に過ぎない。脳裏に浮かぶ情景ははじけて消えて病んでゆく。チリチリと震える指先はガラス窓の代わりにスマホをなぞり、下らない言葉を紡いでいる。 やがて訪れる静寂は窓ガラスを白く染め、何もない空間に存在感を与える。彼女の言葉がリフレインする。脳内に響くリストの旋律。私にはそれがデタラメな音の乱舞に聞こえる。オーケストラの真ん中でひとり、たくさんの楽器に耳を済ませられず私は耳を塞ぐしかない。 静寂はやがて耳をつん