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『まじめな男』
戦国末期の武将である加藤嘉明は 晩年、ひとから、 「どういう家来が、いくさに強いか」 と、きかれた。... 戦国末期の武将である加藤嘉明は 晩年、ひとから、 「どういう家来が、いくさに強いか」 と、きかれた。 当然、強いといえば天下にひびいた豪傑どものことである という印象がその当時の世間にもある。 が、嘉明は、 「そういうものではない。猛勇が自慢の男など、 いざというとき、どれほどの役にたつか疑問である。 かれらはおのれの名誉をほしがりはなやかな場所では とびきりの猛勇を見せるかもしれないが、他の場所では 身を惜しんで逃げるかもしれない。合戦というものは さまざまな場面があり、派手な場面などはほんのわずかである。 見せ場だけを考えている豪傑など、 すくなくとも私は家来としてほしくない」 と、豪傑を否定し、戦場でほんとうに必要なのはまじめな男である、 といった。たとえ非力であっても責任感がつよく、 退くなといわれば骨になっても退かぬ者が多ければ多いほど、 その家は心強い。合戦を勝ちへみちびくもの
2009/02/19 リンク