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『ラッセンについて4 解剖 ラッセンは青空の大観音(構図について加筆)』
ラッセンの絵は薄くて明るくて、そして軽い。あまりにも軽薄で、海の実態を少しでも知っている人ならば... ラッセンの絵は薄くて明るくて、そして軽い。あまりにも軽薄で、海の実態を少しでも知っている人ならばこんな海はある一面でしかなく、ラッセンのような海はご都合主義的であると知っている。夜の海や嵐の海を見たことがあるだろうか。実際はかなり恐怖感がある。 そうした厚くて暗くて重い海となれば私はクールベを思い出す。クールベの海はこちらをなぎ倒して来そうで怖い。背景の闇夜は飲み込まれそうな怖さである。その脅威と夜の闇を含んでなお波の造形の美しさや色の複雑な深さを伝え自然の力強さを伝えてくる。そうした単なるリアリズムだけではなく、日本人ならばこの海を見て自然との深い関わりを感じるであろうし、またそこに人生の陰影を投影するであろう。 専門外の人にもわかるように、この二つの絵を実際に比べてみる。 まずモノクロにしてみよう。モノクロにするとレントゲンのようにその絵の骨格が見えるのである。 ラッセンの絵はほとんど
2013/08/05 リンク