ねぇ、きれいなものの気持ちってわかる？

「ねぇ、きれいなものの気持ちってわかる？」 「わからないよ きれいじゃないんだもん」 「きれいなものっていつも、きれいでつらいって言ってるよね」 「うそに決まってるじゃない。つらかったら顔潰せばいいだけじゃない」 「でも、みんな可哀想って言ってるよね」 「きれいなものだからに決まってるじゃない」 相変わらずお互いに姿が汚かった。 同じ学部のドブスにそっくりだ。低い汚い声も。 自分の唯一の見た目の取り柄は歯並びだけど、こいつは歯並びも悪い。 自分がこいつを見つけた時は歯が欠けていた。 そんな子を拾ってきた。 「普通なら人とやってるんだろ 大抵の可愛い子なら」 「そうだよ」 「やったことあるの」 「ないよ 醜いから」 それもそうだった。醜いからセックスしてくれる人間はいないのだ。 「自分はしないよ」 「こっちも嫌だに決まってるじゃない」 お互い泣き出すのだった。 本当にきれいなものなのかわから