「暗殺の幕末維新史」書評 暗殺とテロで始まった近代日本｜好書好日

暗殺の幕末維新史 桜田門外の変から大久保利通暗殺まで （中公新書） 著者：一坂太郎 出版社：中央公論新社 ジャンル：新書・選書・ブックレット 暗殺の幕末維新史 ［著］一坂太郎 近代日本は暗殺とテロで始まった。開国か攘夷（じょうい）かをめぐるテロ、「安政の五カ国条約」締結後に来日した外国人への問答無用の殺傷、明治政府誕生後の要人暗殺。とにかく感情が先行してすぐに殺害に走る。むろん殺害された側も黙っていない。報復のケースもある。欧米列強からは「危険な国」扱いされる。 大老井伊直弼が殺害された安政７（１８６０）年の「桜田門外の変」は、水戸、薩摩の浪士ら１８人の犯行だ。彼らの趣意書には「神州」「国体」「国賊」「天誅（てんちゅう）」と昭和２０（１９４５）年まで続く「神国思想」の「キーワード」が出そろっていた。なるほど２・２６事件もそうだった。イギリス公使オールコックや井上聞多（馨）、大村益次郎など、

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“結局、原因は「下々の意見が上に届く『言路洞開（げんろどうかい）』のルールがなかったから」。”

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一坂太郎著。桜田門外の変を起こした浪士の趣意書には“「神国思想」の「キーワード」が出そろっていた。”／原因は下々の意見が上に届く「言路洞開」のルールがなかったから、と