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【福井編】困難から立ち上がってきた人と町 文芸評論家・斎藤美奈子|好書好日
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【福井編】困難から立ち上がってきた人と町 文芸評論家・斎藤美奈子|好書好日
北陸の冬は厳しい。中野重治の自伝的小説『梨の花』(1959年/岩波文庫)には主人公の高田良平が雑... 北陸の冬は厳しい。中野重治の自伝的小説『梨の花』(1959年/岩波文庫)には主人公の高田良平が雑誌にケチをつけるくだりがある。 〈たのしい正月がきました。/男の子は、たこあげをしてあそびます。/女の子は、はねつきをしてあそびます〉。良平は憮然(ぶぜん)とする。〈正月は、朝から晩まで吹雪(ふぶ)いてるのだ〉〈あいつらは正月と春とをいっしょくたにしてけつかる〉 明治末期、高椋(たかぼこ)村(現坂井市)で祖父母と暮らしてきた少年はやがて福井市内の中学に進学。町の子との差を思い知る。良平の村には電気も来ていなかったのだ。 それでも彼は当時のエリートだった。福井は繊維産業で栄えた県だ。特に絹織物の羽二重は明治中期、花形の輸出産業に躍り出る。生産現場を支えたのは女たちである。 ということが、津村節子『絹扇(きぬおうぎ)』(2003年/新潮文庫)を読むとよくわかる。主人公のちよは春江村(現坂井市)に生ま