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(4ページ目)《広島・長崎の原爆投下》「総理、約束が違うではありませんか」2時間に及ぶ議論の末に昭和天皇が出した“答え” | 文春オンライン
一瞬、死のような沈黙がきた。天皇は腹の底からしぼり出すような声でつづけた。 「空襲は激化しており、... 一瞬、死のような沈黙がきた。天皇は腹の底からしぼり出すような声でつづけた。 「空襲は激化しており、これ以上国民を塗炭の苦しみに陥れ、文化を破壊し、世界人類の不幸を招くのは、私の欲していないところである。私の任務は祖先からうけついだ日本という国を子孫につたえることである。いまとなっては、ひとりでも多くの国民に生き残っていてもらって、その人たちに将来ふたたび起ちあがってもらうほか道はない。 ©文藝春秋 もちろん、忠勇なる軍隊を武装解除し、また、昨日まで忠勤をはげんでくれたものを戦争犯罪人として処罰するのは、情において忍び難いものがある。しかし、今日は忍び難きを忍ばねばならぬときと思う。明治天皇の三国干渉の際のお心持をしのび奉り、私は涙をのんで外相案に賛成する」 降伏は決定された。8月10日午前2時30分をすぎていた。その夜はかがやかしい月が中天にかかり、宮城の庭の老松の葉影が一本ずつ数えうるほ