精進料理の哲学を形に。デュカスが東京に開いた「大地」のレストラン | Forbes JAPAN 公式サイト（フォーブス ジャパン）

照明を落とした入口の奥には、野菜をかたどったベージュ色のオブジェが置かれている。壁紙の白い和紙が、柔らかく日差しを反射する。大きな窓の外に広がる皇居の緑を背景に、室内には庭石を思わせるような落ち着いたグレーの丸い椅子も置かれている。 窓と反対側は一面ソファ席となっており、ここに座ると、縁側に座って石庭を眺めているような気分になる。壁に掛けられた植物の標本をイメージした額は、掛け軸の見立てではないか。 そんな空想も広がる、和のエッセンスがインテリアの随所に盛り込まれたレストランが、去年11月にパレスホテル東京に誕生したアラン・デュカスのレストラン「エステール」だ。店名は、デュカスの生まれ育った、南西フランスのオクシタニー地方の言葉で「母なる大地」を意味する。 アラン・デュカスのロゴは、名前の頭文字からアルファベットのAとDをほぼ左右対称になるようにデザインしたものだが、それと同じように、大地