「お前は新手の総会屋か！」…ＪＲ東海の天皇・葛西敬之が野村證券の社長を怒鳴りつけた一部始終（森 功）

激怒する葛西のもとに何回も足を運んで… しかし、旧国鉄時代の債務問題を引きずる公共インフラ企業のＪＲ東海では、たやすく従来のやり方を変えられない。 「現実には長期に株を持ってくれる安定株主がいないと怖くて経営なんてできないんですよ。株を買い占めて会社を揺さぶるような株主とそれを推奨する会社なんて、まるで新手の総会屋みたいなもんじゃないか」 葛西の言い分は、株式の流動性を高めれば、モノ言う株主によって企業経営が危うくなるという意味に違いない。それはそれで一理ある。が、証券会社の経営者である氏家とは見解が異なる。 とりわけ総会屋事件に揺れ、新社長に就任したばかりの氏家にとって、「新手の総会屋」とは手厳しい。氏家が苦笑いしながら振り返る。 「最初はまさに不幸な出会いでした。あまりの剣幕に驚き、何回も本社に足を運んで説明しました。ただ、葛西さんも市場合理性をきちっと貫徹させずに中途半端な経営をして