「ベタが最強」「アホが才能」M-1チャンピオンが語る、じつは知らない「お笑いの構造」の秘密（現代新書編集部）

——そのラインがどこにあるのかを探すのは難しそうです。 石田 僕は「アホが才能」やと思うんです。中の中の学校に行ってテスト前だけ勉強してなんとかクリアしてきたヤツなんです、僕は。だから、知識があまりないんですよ。この知識のなさが僕の中で自分の才能だと思っています。たとえば東大生は常識の基準が高い。知っている知識が多いと笑いを取りにくいと思うんです。自分たちの当たり前が世間一般の当たり前じゃないから。 なんで僕らが小中高生にハマるかというと、めちゃくちゃ簡単なワードしか出していないから。難しい言葉や設定を選ばない。それが根本にあるんです。実際、M-1でも「川で少年が溺れていたらどうする」とか「ホラー映画を見るのが好き」とかいったベタな設定でした。普通の人は常識のラインがどこにあるのか、すぐにはわからないと思うんです。でも僕はアホやからそれが他の人よりもわかる。僕がわかってることはみなさんだい