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『KGBの男 冷戦史上最大の二重スパイ』 - HONZ
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『KGBの男 冷戦史上最大の二重スパイ』 - HONZ
僕はスパイ小説には目がなくて、若いころはイアン・フレミングやジョン・ル・カレに耽溺したものだった... 僕はスパイ小説には目がなくて、若いころはイアン・フレミングやジョン・ル・カレに耽溺したものだった。このジャンルは、なぜか、連合王国(uk、イギリス)のお家芸だが、本書も例外ではない。しかもフィクションではなく、これは実話なのだ。まさに「事実は小説より奇なり」を地で行く物語で、心臓をドキドキさせながら2日で一気に読み込んだ。あまりにも面白くて途中で止めることができなかったのだ。 1938年、KGBの一家に生まれた冷静・有能で知的なエリート、オレーク・ゴルジエフスキーは、当然のようにKGBにスカウトされ出世の階段を上り始める。しかし、派遣先の東ベルリンで見たベルリンの壁の建設や最初の赴任地デンマークで体験したプラハの春の弾圧はオレークに共産主義体制に対する嫌悪感を抱かせるのに十分だった。オレークはソ連を西側諸国のような文化的で自由な国家に転換させようと考え、1974年から二度目の赴任地デンマー