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グッドデザイン賞という定点観測──野見山桜
審査委員ではない外部有識者の立場から、すべての審査対象を見つめ、“うねり”を探ってきたフォーカス・... 審査委員ではない外部有識者の立場から、すべての審査対象を見つめ、“うねり”を探ってきたフォーカス・イシュー・リサーチャー。3人それぞれの専門性や切り口から、審査プロセスに伴走する中で見えてきた気づきや視点について書いてもらった。 今回は、デザイン史家の野見山桜が、グッドデザイン賞という「今」のデザインを評価する活動の意義と、その可能性について考察する。 本記事は、2023年度フォーカス・イシューレポートにも収録されています。 日本のデザイン史のなかで私が最も面白いと思う時期は1950年代です。世界デザイン会議(1960年)の日本初開催や東京オリンピック(1964年)におけるデザイナーの活躍など、デザイン業界が盛り上がりを見せ、華やかなイメージがある60年代の影に隠れがちですが、戦後の急激な復興のなかでデザインという言葉が社会に徐々に浸透し、日本宣伝美術や日本インダストリアルデザイン協会とい