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あなたの図々しい質問 - 傘をひらいて、空を
それ三回目ですよと私は言った。うそうそと森先輩は言った。嘘じゃないですと私はこたえた。私が二年生... それ三回目ですよと私は言った。うそうそと森先輩は言った。嘘じゃないですと私はこたえた。私が二年生のとき、講座に出入りしはじめてすぐと、先輩が卒業する直前、それから、今です。先輩は私と羽鳥さんの顔を見て、執念深いと言って、笑った。覚えてないよ、そんなこと。 森先輩と羽鳥さんと私はいま並べた順番でひとつずつ年齢が若い。私たちは同じゼミの卒業生だ。私と羽鳥さんは在学中からの友人で、今でも年に何度か会う。森先輩と羽鳥さんはときどきメールのやりとりがある。そうして今は、干支一回分ぶりに三人で顔を合わせていた。卒業生の名簿が必要になって、学年からひとりずつ集まって打ち合わせをすることになったのだ。 打ち合わせは滞りなく終わり、近い業種同士の世間話になり、そうして先輩は言う。それで結局槙野と羽鳥ってつきあってんだっけ。違いますとだけ私は言う。気を悪くしたことを察してほしいと思う。でも森先輩はそういう人で
2011/11/02 リンク