松本俊彦のこころと向き合う：／１２ 覚悟の自殺はあるのか - 毎日新聞

自殺予防の講演会で、時々こんな質問を受ける。「全ての自殺を予防する必要があるのか。考えた末の覚悟の自殺もあるのではないか」 私は１０年前から「心理学的剖検（ぼうけん）」に関わってきた。遺族を情報源として、自殺既遂者が死に至ったプロセスを詳細に振り返る調査だ。遺族の心理的負担は決して軽くない調査だが、同時に我々にも、ある種のタフさが求められる。 なにしろ、調査面接の際に遺族が提供してくれる情報はしばしばとても生々しい。遺書や生前の写真、自殺直前まで交わしていた家族や恋人とのメールやＳＮＳのやり取り、ネットの閲覧履歴……。そうしたものを見ながら遺族の話に集中していると、自殺直前に故人が眺めていた風景を追体験する錯覚に陥る。 この記事は有料記事です。 残り564文字（全文878文字）

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「全ての自殺を予防する必要があるのか。考えた末の覚悟の自殺もあるのではないか」 そうじゃない自殺が相当あるのがわかってるんだからとっとと協力しろという感じの質問 。こういうのにも切れずに対応する人はえら

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“自殺当日の朝、遺書をしたためながら残り少なくなった洗剤やシャンプーを補充し、かかりつけ医で糖尿病や高血圧の治療薬をもらっている。今日死ぬ者には不要なものばかりだ。”

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松本俊彦のこころと向き合う:／１２　覚悟の自殺はあるのか

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名文。