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中村文則の書斎のつぶやき:危機あおる?政府対応 | 毎日新聞
「R帝国」という小説を書いた。資本主義で、民主主義であるのに、独裁政権になってしまった国の物語。... 「R帝国」という小説を書いた。資本主義で、民主主義であるのに、独裁政権になってしまった国の物語。今の日本と世界を意識している。 ヒトラーの「人々は、小さな嘘(うそ)より大きな嘘に騙(だま)されやすい」という言葉の引用を最初に置き、小説は「朝、目が覚めると戦争が始まっていた。」という一行から始まる。もし今の日本がこのまま進めばこうなってしまう、ということを意識した。戦争、テロ、差別、フェイク・ニュースなどの現在の問題を踏まえ、なぜこうなってしまったのかも、物語に乗せて分析することになった。 国による「一体感」は気持ちがいいかもしれない。強い政府の側に自分を投影し、自分まで強くなった錯覚を感じるのも気持ちいいかもしれない。でもそれは社会的動物である人間が陥る一つのわなだ。この「一体感」に溺れると、集団から外れた者を攻撃する「気持ちよさ」や、他国を攻撃する「熱狂」にも陥りやすい。第二次大戦の日本
2017/09/03 リンク