神戸大空襲：重傷の８９歳女性「戦争は残酷、罪深い」 | 毎日新聞

大阪府枚方市の牧師、杉田典子さん（８９）は７３年前の神戸大空襲で重傷を負い、母親の大久保末子さん（当時４０歳）を失った。焼夷（しょうい）弾で炎に包まれた町、積み重なった遺体。あの日見た地獄のような光景を長らく記憶の中にとどめてきたが、数年前から人前で話すようになった。戦争を知る世代が減る中、「戦争の残酷さを伝えるために、自分はまだ生かされている」と考えるようになったからだ。 １９４５年６月５日早朝、高等女学校３年で１６歳だった杉田さんは、神戸市須磨区の自宅を襲った激しい揺れに跳び起きた。空襲警報が鳴り響く中、着の身着のままで外へ出ると屋根から火が上がっていた。

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“杉田さんは静かに言った。「戦後７３年、平和な時代が続いてきた。戦争は罪深いもの。あの日のような地獄を二度と繰り返してはいけない」【岡崎英遠】”