社説：中国の台湾への圧力 力の誇示こそ新冷戦招く | 毎日新聞

バイデン米新政権の発足以来、中国軍が台湾周辺での活動を活発化させている。軍事的圧力の強化は緊張緩和を困難にし、地域の不安定化につながる。中国は圧力より対話を選択すべきだ。 バイデン大統領の就任式には台湾の蕭美琴（しょうびきん）駐米代表が初めて正式に招待された。台湾との関係を重視する姿勢と受け止められた。 中国外務省は「米台当局のいかなる形式の往来にも断固、反対する」と反発した。直後に２日間で計２８機の中国軍機が台湾の防空識別圏に入り、その後も中国軍機の飛来が続く。米台の関係緊密化をけん制する狙いだろう。 米国は１９７９年の中国との国交正常化後、「一つの中国」政策の下で、台湾との政治的な交流には慎重な対応を取ってきた。しかし、トランプ前政権は閣僚や国務省高官を訪台させるなど台湾との関係を強化させた。 バイデン政権は「一つの中国」政策の堅持を表明する一方、コロナ対策でも成果を上げた台湾の蔡英文