特集ワイド：反ユダヤ運動、着火の懸念も 日本総研会長・寺島実郎さんが見るガザ侵攻 日本は非戦・非核の声上げねば | 毎日新聞

インタビューに答える日本総合研究所の寺島実郎会長＝東京都千代田区で2023年12月4日、手塚耕一郎撮影 イスラエルはなぜ、あれほど激しくパレスチナをねじ伏せようとするのか。日本外交には何が欠けているのか。ちょうど1年前に出版した著書「ダビデの星を見つめて」でイスラエルの危うさを指摘していた日本総合研究所会長の寺島実郎さんに、パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘から見えるものを聞いた。 「『独り勝ち』という言葉がぴったりなのが、米同時多発テロ（9・11）以降のイスラエルでした。次第に自己過信するイスラエルが地域に危ういものをもたらすという予感がありました」。寺島さんはそう語る。 イスラエルにとって最大の脅威だったイラクのサダム・フセイン元大統領はイラク戦争で葬り去られ、次の強敵であるイランは核開発問題で封じ込められた。「いずれも自分の手を汚さず、米国を利用するような形で脅威を排除しました」。その後