社説：損保大手に行政処分 悪質な慣行の根絶が急務 | 毎日新聞

大手損害保険会社4社への行政処分を発表する鈴木俊一・金融担当相＝2023年12月26日午前、藤渕志保撮影 損害保険業界にはびこる悪質な商慣行の実態が暴かれた。 企業向け保険の価格調整（カルテル）疑惑を巡り、金融庁は26日、損保大手4社に対し保険業法に基づく業務改善命令を出した。 計576の企業や自治体との契約について、水面下で保険料を事前に相談するなど不適切な行為が確認された。 処分を受けたのは、東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険だ。 企業向け保険は、この4社が約9割のシェアを握る。こうした寡占状態が担当者間のなれ合いにつながったとみられる。 公正取引委員会も4社に対し、独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査に入っている。 競争原理をゆがめ、顧客の利益を損なう行為である。うみを出し切るためにも当局は徹底して真相を究明してほしい。 企業向け