記者の目：那須雪崩死の裁判を取材して 事故の責任重さ、向き合って＝面川美栄（社会部大阪グループ・前宇都宮支局） | 毎日新聞

栃木県那須町の茶臼岳で2017年3月、登山講習中だった県立大田原高の生徒7人と教員1人が死亡した雪崩事故から7年がたった。当時引率した教諭で、業務上過失致死傷罪に問われた3被告（うち1人は退職）に宇都宮地裁は5月30日、部活動中に発生した事故としては異例の禁錮2年（求刑・いずれも禁錮4年）の実刑判決を言い渡した。 滝岡俊文裁判長は「雪崩が自然現象という特質を踏まえても相当に重い不注意による人災」と断じた。判決後、遺族は「苦しめられ続けた7年だった」と振り返った。教育現場は判決と遺族の言葉を胸に刻み、裁判で指摘された事実を真剣に見つめ直してほしい。