「午前は生きている。午後は死ぬかも」 16歳の心狂わせたゲリラ戦 | 毎日新聞

沖縄県大宜味（おおぎみ）村に住む瑞慶山（ずけやま）良光さん（95）は第二次世界大戦末期の沖縄戦で少年兵として駆り出され、山奥に潜んでゲリラ戦を強いられた。当時16歳。命は助かったが、精神に異常をきたし、戦後間もない頃は奇異な行動に走ることもあった。「海や山に隠れて、逃げる、逃げる。まさに戦争の時の夢を見ているような感じだった」。死と隣り合わせの日々は少年の心に深い傷を残した。 1945年の沖縄戦で、日本軍は沖縄本島を進攻する米軍に奇襲攻撃をかける遊撃部隊を編成した。「護郷隊（ごきょうたい）」と名付けられた部隊の隊員となったのは15～18歳の少年約1000人。短期間の厳しい訓練を経て、複数の中隊に分かれ、山中に潜んだ。 瑞慶山さんも45年3月に「第2護郷隊」の隊員として召集され、約3週間の訓練を受けた。教えられたのは「撃つことや斬ることではなく、爆弾を持って敵に飛び込むことだった」。 米軍が