最速130キロ超 知的障害のある高校球児の「最初で最後の夏」 | 毎日新聞

「リーガ サマーキャンプ」のリーグ戦でベンチからチームメートに声援を送る工藤琉人さん（手前）＝北海道栗山町で2024年8月9日、貝塚太一撮影 ただ野球がやりたい。それだけ――。知的障害がありながら願い続けてきた高校3年生がこの夏、グラウンドに立った。在籍する特別支援学校に野球部はなく、試合は3年ぶりだ。白球を懸命に追い、好プレーが出れば仲間と喜び合う。「やっぱり楽しい」。そう言葉を弾ませた球児の「最初で最後の夏」を追った。 北海道・栗山町民球場で8月9日、個人参加の高校3年がチームを組んで試合をする大会が行われていた。全国から集まった選手たちの輪の中に、日本体育大付属高等支援学校（北海道網走市）3年の工藤琉人（りゅうと）さん（18）がいた。 代打で初打席を迎えたのは八回。1ボール2ストライクから直球をはじき返した。不慣れな木製バットの芯を外れた打球はやや弱く、遊ゴロに倒れた。 だが、ダッグ