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異次元緩和が日本に与えた「二つの深刻な副作用」 | 元日銀理事が語る「経済の急所」 | 山本謙三 | 毎日新聞「経済プレミア」
金融政策決定会合を終え、記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁=東京都中央区の日本銀行本店で2021年9月... 金融政策決定会合を終え、記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁=東京都中央区の日本銀行本店で2021年9月22日(代表撮影) 金融政策の罪と罰(2) 異次元緩和の副作用を巡る議論は、高インフレが起きるかどうかに力点が偏りがちだ。「8年半やっても物価が上がらないのに、将来の高インフレを心配するのはばかげている」といった議論である。しかし、副作用は物価だけではない。土地や株式といった資産価格から、金融システムや実体経済まで広範に及ぶ。 副作用が広範に及ぶのは、考えてみれば当たり前だ。異次元緩和とは、巨額の資金供給と超低金利を通じて経済に働きかけるものだ。現在日本銀行は「短期金利マイナス0.1%、長期金利ゼロ%」という政策金利を掲げている。これだけの超緩和的な金利を長期にわたって続ければ、副作用も当然大きくなる。 以下、私がとくに深刻と考える副作用を二つ指摘する。一般の国民には目に見えにくい副作用と
2021/11/21 リンク