テレグラム創業者逮捕、ロシアが激怒する理由（WSJ日本版） | ウォール・ストリート・ジャーナル日本版から | ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 | 毎日新聞「経済プレミア」

＜Yaroslav Trofimov/2024年9月2日＞ 通信アプリ「テレグラム」の創業者、パベル・ドゥーロフ氏がフランス当局に逮捕され、ロシア当局が猛反発している。 ロシア政府にとってテレグラムは単なるソーシャルメディアアプリ以上の存在だ。ロシアの兵士やスパイは火砲の誘導や作戦行動の連携、情報収集といった戦場でのやり取りをテレグラムに頼っている。 「パベル・ドゥーロフの逮捕は実質的にロシア軍の最高通信将校が逮捕されたに等しいと多くの人が冗談を言っている」。ロシア議会顧問で元軍事産業幹部のアレクセイ・ロゴジン氏はそう話した。 2022年のウクライナ侵攻開始後まもなく、ロシア軍は部隊間の連絡がなかなかつかないことや、暗号化されていない無線交信がウクライナ側にやすやすと傍受されていることに気付いた。ロシア軍は侵攻当初から急速に拡大したため、最新の通信能力が不足していた。それは今も変わらない。