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アニメーション版「この世界の片隅に」を捉え直す(12)右手が知っていること | マンバ通信
アニメーションには、原作のマンガにはない小さなエピソードがいくつか散りばめられているが、中でも印... アニメーションには、原作のマンガにはない小さなエピソードがいくつか散りばめられているが、中でも印象に残るのは、晴美とすずのやりとりだ。 たとえば、19年9月、まだまだ暑い畑で、すずと晴美が何かを収穫しており、晴美は黄色い花を手にしている。次のカットでは、カボチャに墨で顔を描いたものが本棚の前に置かれており、そばに添えられた黄色い花が色鮮やかなので、短いカットながら印象に残る。おそらく顔を描いたのはすず、花を持ってきたのは晴美で、この髪に花をかざしたような剽軽なカボチャは、二人の合作なのだろう。 もう一つは20年3月19日、空襲後の短いエピソード。呉港への爆撃で海には魚がたくさん浮いている。「その日、呉では魚がようけ獲れた」。すずと晴美は向かい合って皿に置かれた配給の小魚を絵に描いている。晴美が言う。「ちっさ!」。その短い形容の仕方は、かつてすずが友達に言われていた「短かー」や従姉妹に言われ
2017/01/13 リンク