日立金属の工場地元、今後の動向注視（山陰中央新報） - Yahoo!ニュース

日立金属の売却先が絞られた。島根県安来市にある主力拠点の安来工場が手掛ける特殊鋼製品は受け継がれた技術で高い競争力を有し、識者は「存在価値は高い」と評する。ただ日米ファンド連合が買収後、安来工場や特殊鋼事業をどう扱うかは不明で、地元関係者は固唾（かたず）をのんで行方を見守る。 日立金属の２０２０年３月期連結決算は売上高に当たる売上収益が８８１４億円。このうち安来工場が中核となる特殊鋼製品は２５０６億円と全体の２８・４％を占める主力だ。 特殊鋼は、強度が必要な自動車の足回りや高温耐性が求められるエンジンの部品などに幅広く使われる。用途に合わせて鉄にさまざまな元素を混ぜて製造するため、ノウハウが必要とされ、島根大学次世代たたら協創センターの森戸茂一教授（金属材料学）は「安来工場は技術力が高く、刃物鋼や金型鋼で世界的に評価は高い」と話す。 自動車産業に詳しい経済ジャーナリストの井上久男氏（５６）