「藤井聡太さんと羽生善治さんは“将棋が人間の形”をしている」鈴木大介が真剣勝負で味わった“超・天才性”「恐怖という概念がないのか…」（曹宇鉉）

羽生善治と藤井聡太。将棋界を代表する2人の天才の発想は、他のプロ棋士と何が異なるのか。「将棋が人間の形をして歩いている」――両者と対局した経験を持ち、麻雀プロとしても活躍する”二刀流棋士“の鈴木大介が、Number Webのインタビューに答えた。（全3回の1回目／第2回、第3回へ）※文中敬称略 藤井聡太の衝撃「“壁”と将棋をやっている感じ」 それは壁だった。あるいは、泰然自若とした木鶏であり、大地に深く根を下ろした巨樹のようでもあった。 2020年7月29日、第79期B級2組順位戦。2週間前に史上最年少のタイトルホルダー（棋聖）となった藤井聡太と対峙した鈴木大介は、幼さと鋭さが同居した双眸で盤面を凝視する18歳の集中力に「普通ではない何か」を認めていた。