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湯浅政明監督『犬王』を見てきた。古川日出男の小説『平家物語 犬王の巻』のアニメ映画化である。脚本は野木亜紀子、キャラクター原案を松本大洋、音楽を大友良英がつとめている。 www.youtube.com 南北朝の時代が舞台で、異形の者として生まれたが猿楽の芸を極めると身体の異形の箇所がひとつずつ減っていく犬王(アヴちゃん)と、壇ノ浦の海人の息子で平家が残した三種の神器の剣引き上げにかかわったせいで盲目になり、琵琶法師を目指すことになった友魚(森山未來)の数奇な運命を描いた作品である。犬王は新しい猿楽の芸で京都で大人気になり、友魚も友有と改名して犬王のことを語る琵琶の歌で人気を博す。やがて犬王には将軍・足利義満(柄本佑)から声がかかる。 原作小説のほうはなんだかんだで猿楽とか琵琶とか日本の伝統芸能の話という印象がけっこうあったのだが、映画のほうはグラムロックに寄せていることもあってあまりそうい
『トップガン マーヴェリック』を見てきた。前作『トップガン』(1986)から36年振りの続編ということである。メインキャストのトム・クルーズとヴァル・キルマーは続投だが、トニー・スコットはお亡くなりになっているので監督はジョセフ・コシンスキーがつとめている。ヒット曲であるケニー・ロギンズの「デンジャー・ゾーン」は続投である。 www.youtube.com マーヴェリックことピート(トム・クルーズ)は極めて優秀なパイロットとして30年以上軍アメリカに勤務し、本来なら大出世するかそろそろ退役していてよい年頃だが、現場を離れたがらず、大佐としてマッハ10を達成するプロジェクト用テスト機を操縦する仕事をしていた。マーヴェリックはマッハ10を達成したものの頑張りすぎて機体を破壊してしまい、若き日のライバルで今は提督になっている親友アイスマン(ヴァル・キルマー)のご意向でトップガンの教官をつとめるこ
サム・ライミ監督『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』を見た。 www.youtube.com ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、街で怪物に追われていた少女アメリカ(ソーチー・ゴメス)を助けるが、アメリカはマルチバースを移動する能力を持った少女だった。ドクター・ストレンジはアメリカをカマータージに匿い、魔女であるワンダ(エリザベス・オルセン)に相談するが、実はアメリカを狙っていたのはスカーレット・ウィッチことワンダだった。子どもを失い(『ワンダヴィジョン』参照)、他のユニバースで無事に子育てをしているワンダの人生をうらやんだワンダは、マルチバースを操る力を手に入れようとしていたのである。ドクター・ストレンジはウォン(ベネディクト・ウォン)と一緒にワンダに立ち向かおうとするが… 全体としてはサム・ライミ監督らしいホラー映画になっており、とくにいろいろな
『マリー・ミー』を見てきた。 www.youtube.com 大スターのキャット(ジェニファー・ロペス)は婚約者バスティアン(マルーマ)とコンサート中に結婚することになっており、"Marry Me"という歌もリリースしていたが、ステージで結婚する直前にバスティアンの浮気動画がネットに流れる。ショックを受けたキャットは突然、観客席にいたチャーリー(オーウェン・ウィルソン)を選んで求婚する。チャーリーはたまたま友人のパーカー(サラ・シルヴァーマン)に誘われて娘のルー(クロエ・コールマン)とコンサートに来ており、パーカーの"Marry Me"というサインを持っていたのでキャットの目についたのだった。衝動で行った結婚式ごっこだったはずが、キャットの意向でしばらく2人は一緒に過ごしてみることにする。だんだん親しくなっていく2人だったが… 最近ではほとんど作られなくなってしまった華やかなロマンティック
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』を見てきた。 www.youtube.com 公開初日なのでぼかし気味であらすじを書くが、シリーズ第3作のメインプロットはなんと不正選挙である。魔法界にもドナルド・トランプのような政治家がいる…ということで、グリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)が選挙に詐欺的な手段で介入して魔法使いの国連みたいな組織の長になろうとする。これを阻止すべくニュート(エディ・レッドメイン)やダンブルドア(ジュード・ロウ)たちのチームが戦うというものだ。 魔法ワールドフランチャイズの生みの親であるJ・K・ローリングはトランス差別発言でエディ・レッドメインを含めた映画のメインキャスト陣から批判され、さらにジョニー・デップが妻のアンバー・ハードに対するDV疑惑と泥沼の離婚裁判でグリンデルバルド役を降板、次はエズラ・ミラーが精神不安定になって度重なる治安紊乱で警察沙汰
ケネス・ブラナー監督作『ベルファスト』を見てきた。ブラナーの半自伝的作品で、少年時代を過ごした北アイルランドのベルファストを舞台にした作品である。 www.youtube.com 1969年のベルファストが舞台である。主人公である男の子バディ(ジュード・ヒル)はプロテスタントの労働者階級の一家の息子で、お父さん(ジェイミー・ドーナン)は大工でロンドンに出稼ぎに行っていることが多い。ところがベルファストはカトリックとプロテスタントの宗教紛争が悪化してほぼ内戦に近い状態になり、バディの近所が攻撃されてバリケードが設営される。バディの一家はカトリックや移民に悪感情を持っていないのだが、近所のビリー(コリン・モーガン)がお父さんに破壊活動に参加しろと脅迫じみた要求をしてくる。お父さんは仕事がたくさんあるロンドンへの移住を提案するが、ベルファストからほとんど出たことのないお母さん(カトリーナ・バルフ
『ガンパウダー・ミルクシェイク』を見てきた。 www.youtube.com 主人公サム(カレン・ギラン)は、殺し屋の母親スカーレット(レナ・ヘディ)がまずいことになって逃げ出して以来、母親と一緒に仕事をしていたネイサン(ポール・ジアマッティ)のもとで腕利きの殺し屋に成長していた。ところがサムがミッションの途中で少女エミリー(クロエ・コールマン)を助けたことからトラブルが発生し、サムは15年振りに母親と再会し、女殺し屋たちが運営する「図書館」に助けを求めることになる。 90年代のタランティーノ+ジョン・ウィック・シリーズの女性版みたいなアクションものである。けっこう激しく血が飛んだりするようなアクションが多いところは『キル・ビル』などを思わせるが、世界観が独特で特殊な設定が使われているところはジョン・ウィック・シリーズに似ている。とくにアンナ・メイ(アンジェラ・バセット)、フローレンス(ミ
ギレルモ・デル・トロ監督の新作『ナイトメア・アリー』を見てきた。 www.youtube.com 1939年、相当なわけありらしいスタン(ブラッドリー・クーパー)が、さまざまなあやしげな見せ物が売りの移動遊園地(カーニバル)に流れ着くところから始まる。いろいろな見せ物の手伝いなどで重宝されるようになり、千里眼ショーをやっているジーナ(トニ・コレット)とピート(デヴィッド・ストラザーン)に気に入られて読心術を身につけるようになる一方、電流ショーをやっているモリー(ルーニー・マーラ)と恋をし、一緒に出ていくことにする。2年後、スタンとモリーは街で読心術ショーで人気を博すようになっていたが、精神科医のリリス・リッター博士(ケイト・ブランシェット)にトリックを見破られそうになり、スタンはジーナやピートからやるなと言われていた霊媒のふりを始めるようになる。 前後編に分けてスタンの人生を追うというもの
『THE BATMAN ザ・バットマン』を見てきた。 www.youtube.com 主人公であるバットマンことブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)は大変引っ込み思案な性格で、ここ2年間、夜は正体を隠してバットマンとして活動しているが、他は経営も財産管理もほぼほったらかして屋敷の管理も執事アルフレッド(アンディ・サーキス)にまかせきりである。ゴッサムは市長選の最中だが、現職で選挙出馬中のミッチェル市長(ルパート・ペンリー=ジョーンズ)が殺害されてしまう。バットマンは正体を隠したまま、ゴードン警部補(ジェフリー・ライト)と協力して捜査にあたるが、どんどん被害者が増えて… かなり探偵ものノワールっぽい作りの作品である。パティンソンを初めとして役者陣のキャラが良く、面白いところはたくさんある。バットマンがあまりにも社交スキルが低くてお金持ちの御曹司っぽくなく(このブルース・ウェインは経営
『355』を見た。 www.youtube.com 女性チームが活躍するアクションものである。CIAエージェントのメイス(ジェシカ・チャステイン)は相棒ニック(セバスチャン・スタン)を任務の途中で失い、MI6のIT専門家ハディージャ(ルピタ・ニョンゴ)と一緒に世界のITセキュリティを揺るがすデバイスを追う仕事をすることになる。途中でコロンビアのセラピストであるグラシエラ(ペネロペ・クルス)やデバイスを追っていたドイツ連邦情報局のマリー(ダイアン・クルーガー)も加わって世界を救うべくチームで活動を始めるが… こういうアクション映画を作りたいという心意気は大変よろしいし、つまらない映画ではない。とくにダイアン・クルーガー演じるマリーは数カ国語を操りつつ暴れまくり、爆破しまくりの一匹狼エージェントで大変にカッコよく、クルーガーの活躍を見るだけでお金を払う価値はある。また、ペネロペ・クルス演じるグ
スティーヴン・スピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』を見てきた。言わすと知れた有名ミュージカルのリメイクで、原作は『ロミオとジュリエット』である。 www.youtube.com 基本的なお話は変わっていないのだが、スピルバーグとよく一緒に仕事をしていて『エンジェルス・イン・アメリカ』作者であるトニー・クシュナーが台本を作り直しており、これがかなり効いている。プエルトリコ系への人種差別やジェントリフィケーションによって貧困層のコミュニティが無くなることなど、明確に社会問題が織り込まれている。女性陣のキャラクターがよりはっきりしており、アニータ(アリアナ・デボーズ)は服飾店を持つことを夢見ていてボクサーとして成功しつつあるベルナルド(デイヴィッド・アルヴァレス)の求婚に対しては慎重だし、妹のマリア(レイチェル・ゼグラー)も兄の保守的な振る舞いには批判的で大学に行きたがっている。ドクに
「大学のハラスメントを看過しない会」のインタビューを受けました。早稲田大学で起こったハラスメントに関する活動をしている方々のウェブサイトです。インタビューは三部構成です。 dontoverlookharassment.tokyo dontoverlookharassment.tokyo dontoverlookharassment.tokyo
12/1(木)から12/2(金)にかけて科学技術振興機構東京本部別館で開かれる第13回情報プロフェッショナルシンポジウム(INFOPRO16)にて、2日目午前中のシンポジウムに登壇して日本語版ウィキペディアの話をいたします。10時開始で、「トーク&トーク 情報社会から融合社会へ− 仮想と現実が融合する社会での情報のガバナンスと信頼性を考える」という題目のセッションです。主にウィキペディアの信頼性とかの話をする予定ですが、こんな情報系のセッションに呼ばれたことは今まで一度も無いので緊張しています… この日は英日翻訳ウィキペディアン養成プロジェクトで学生たちが作ったウィキペディア記事に関するポスター発表もする予定です。これまたポスターを作ったことが無いので緊張しています。 こちらにチラシがありますので、ご覧下さいませ。
『ユンヒへ』を見た。 www.youtube.com 韓国に住むユンヒ(キム・ヒエ)は離婚し、ひとりで娘のセボム(キム・ソへ)を育てていた。そこに届いたジュン(中村優子)という女性からの手紙をきっかけに、いろいろあってユンヒはジュンが住む北海道の小樽に旅をすることになる。セボムはいろいろ画策して2人を会わせようとするが… 女性同士の細やかな恋愛感情に母と娘、おばのマサコ(木野花)と姪の関係などを丁寧に描いている作品である。そこに韓国と日本、両方の国での性差別や民族差別を絡めている。クィア映画としてはよくできた作品だとは思う。 しかしながら、道産子である私がものすごく違和感を抱いたのは小樽の描写である。フィルムコミッションがかかわっていて小樽の地元の風景がたくさん織り込まれた観光映画なのだが、この小樽の描写が韓国の描写に比べて生活感に欠け、ほぼ理想化された観光地としての雪国、ある種の漂白され
昨日、出演した『アフター6ジャンクション』の放課後ポッドキャストで発表した今年の映画ベスト10です。今年はわりと映画なのか舞台なのか判断が微妙なもの(グリーンバックで役者を別々に撮って合成した「舞台」とか)を見たため、確実に「〇本映画を見ました」と計算しにくいのですが、とりあえず確実に映画と判断できるものは100本をちょっと超えるくらいは見ています。 1.『フリー・ガイ』 2.『パーム・スプリングス』 3.『パワー・オブ・ザ・ドッグ』 4.『あのこは貴族』 5.『ロマンティック・コメディ』 6.『ビーチ・バム まじめに不真面目』 7.『DUNE/デューン 砂の惑星』 8.『KCIA 南山の部長たち』 9.『モロッコ、彼女たちの朝』 10. 『天国にちがいない』 なお、ワーストは『ラストナイト・イン・ソーホー』、ベスト10に入れるかどうか迷ったのは『EMMA エマ』です。 ↓放送はこちらで聞
エドガー・ライト監督の新作『ラストナイト・イン・ソーホー』を見てきた。 www.youtube.com 主人公のエリーことエロイーズ・ターナー(トーマシン・マッケンジー)はコーンウォールのレドルースからロンドン・カレッジ・オブ・ファッションに進学することになる。幼い頃に母を亡くして祖母に育てられ、60年代に憧れて裁縫やデザインをしているエリーだったが、母親の霊を見ることがあり、そのことを祖母はとても心配している。上京してなかなか大学に慣れないエリーは寮を出てグッジ・プレイスにあるコリンズさん(ダイアナ・リグ)の家に間借りすることになるが、毎晩、60年代にそこに住んでいたらしい女性サンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)のやたら生々しい夢を見るようになり… 画面は綺麗だし衣装がとにかくオシャレなホラー映画なのだが、脚本も演出も頭が痛くなるような内容である。女性に対する暴力を批判的に描きたいのだろ
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』を見た。前作とは監督が替わってアンディ・サーキスになり、脚本に主演のトム・ハーディもかかわっている。 www.youtube.com 前作の後、エディはヴェノムと2人で楽しく暮らしており、ヴェノムの助けで殺人鬼クレタス(ウディ・ハレルソン)の調査もうまくいった…が、クレタス絡みのトラブルから2人は仲違いし、ヴェノムはエディとの共生を解除して家出してしまう。ところが死刑になるはずだったクレタスはエディとの面会の際にヴェノムの血液を摂取したことが原因で、新しいシンビオートであるカーネイジが生まれ、クレタスは脱獄する。クレタスは音声攻撃能力を持っているため長きにわたり引き離されていた恋人フランシスを救出し、エディたちを狙うが… 前作はキャラの大きな魅力だけでなんとかもっているような緩い話で映画としての出来は全然良くなかったのだが、続編はとにかく話を単純
『リスペクト』を見てきた。アレサ・フランクリンの伝記映画である。 www.youtube.com アレサ・フランクリン(ジェニファー・ハドソン)の歌手としての波乱の生涯を描いたものである。幼い頃から才能に恵まれた歌手だったが、(おそらく性的虐待の結果として)子どもを2人産んだ後、父である厳格なC・L・フランクリン師(フォレスト・ウィテカー)の影響もあり、なかなか歌手としてヒット曲を出せずにいた。父の影響から離れて業界人のテッド・ホワイト(マーロン・ウェイアンズ)と一緒になる。苦労の末にマッスル・ショールズ・スタジオで行ったセッションから道が開けるが… アレサが父や夫などの干渉をはねのけ、ミュージシャンとして成長する様子を丁寧かつドラマティックに描いた作品である。この手の映画としては非常にきちんとミュージシャンとしての楽曲制作過程や成長を描いており、言われれば何でも器用に歌えるがゆえになかな
リドリー・スコット『最後の決闘裁判』を見た。 www.youtube.com 中世フランスで実際に起こった決闘裁判を主題に、3章構成でそれぞれの当事者の視点から事の次第を描いた作品である。第1章がジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)、第2章がジャック・ル・グリ(アダム・ドライヴァー)、第3章がマルグリット・ド・カルージュ(ジョディ・カマー)の視点で描かれている。マルグリットが夫ジャンの元親友であるジャックに強姦されたとして訴えを起こし、それをジャンとジャックの決闘で決する、という物語である。史実に基づいているとは言え、かなり脚色はされているらしい。 明らかに#MeTooを意識した作りで、性暴力にあった女性の主体性が置き去りにされ、結局男性同士の見栄の張り合いに回収されてしまう様子を皮肉をこめて描いている。とくに最後の決闘が意図的にかなり見苦しく、ロマンティックな騎士道的雰囲気を完全に
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE/デューン 砂の惑星』を見た。フランク・ハーバートによる原作があるのだが、ホドロフスキーによる実現しなかった映画化計画あり(経過は『ホドロフスキーのDUNE』というドキュメンタリーになっている)、デヴィッド・リンチによるいわくつきの映画化(編集権などのトラブルでアラン・スミシー名義の版が出回っていたりする)あり、ドラマあり、これまで何度か映像化の試みがあったものである。大変スケールが大きく、長い話で、こちらの映画化は第一作の半分くらいを扱っている。 www.youtube.com 未来の宇宙帝国が舞台である。名門アトレイデス家とハルコンネン家は長年対立していたが、ハルコンネン家は非常に高価なスパイスの産地である砂漠の惑星アラキスの採掘と交易からくる財力で力をつけていた。ところが皇帝の命でアトレイデス家がアラキスに赴任することになる。アトレイデス公爵家の御
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』を見た。1969年にニューヨークで行われた黒人文化を称えるフリーフェスティバルであるハーレム・カルチュラル・フェスティバルを撮影した映像に解説などをつけたものである。かなりちゃんと撮影したのにお蔵入りとなってしまったらしい。この撮影素材をミュージシャンのクエストラヴがドキュメンタリー映画化したのが本作である。 www.youtube.com コンセプトも演奏も大変しっかりしたもので、ブラック・イズ・ビューティフルということで黒人文化を称え、差別に抵抗し、コミュニティ作りに尽力することを目指すイベントである。6週間くらいかけて夏に毎週末やっていたそうで、ゴスペルが多い回とかラテン音楽ミュージシャンが多い回とか、ジャンルにバラエティもあって盛りだくさんだ。主演者の面々もそうそうたるもので、スライ&ザ・ファミリー・ストーンやステ
『イン・ザ・ハイツ』を見てきた。リン・マニュエル=ミランダとキアラ・アレグリア・ヒュデスによる舞台の映画化である。『クレイジー・リッチ・エイジアンズ』の監督であるジョン・M・チュウが監督をつとめている。 www.youtube.com 舞台はニューヨークのワイントンハイツ(観光地としてはクロイスターズ美術館があるあたり)、ラティンクスが多く住む地域である。ここでコーナーショップ(ニューヨークではボデガと言うらしい)を営んでいるウスナビ(アンソニー・ラモス)は、故郷であるドミニカ共和国に帰って父親が持っていた店を買いたいという夢を持っている。このウスナビを中心に、ウスナビの妹分でスタンフォード大学に合格したが新しい環境で差別を受けてなかなかなじめないニーナ(レスリー・グレイス)、ウスナビが恋をしているデザイナー志望のバネッサ(メリッサ・バレラ)、ウスナビの養母でコミュニティ全体のおばあちゃん
3月末に起きた呉座勇一さんの問題について、代理人を介して行った交渉が決着し、先程正式な謝罪文が出ました。はてなをとくに指定したとかではなくウェブで公開ということなので、下に私のDropboxに保存したものへのリンクも置いておきます。ygoza.hatenablog.com www.dropbox.com
『ブラック・ウィドウ』を見てきた。久しぶりのMCU公開作で、またアベンジャーズでは古株なのに単立の映画がなかったブラック・ウィドウことナターシャ(スカーレット・ジョハンソン)がやっともらえた主演作である。さらにMCUで初めて女性(ケイト・ショートランド)がひとりで監督した映画でもある(『キャプテン・マーベル』は監督が二人いた)。 www.youtube.com 物語は90年代半ばのオハイオ州でナターシャとエレーナの小さな姉妹がメリーナ(レイチェル・ワイズ)とアレクセイ(デヴィッド・ハーバー)の娘として暮らしているところから始まる。どこにでもいるようなよくある仲睦まじい家族に見える…のだが、実はこの一家はロシアの工作員で、メリーナは科学者、アレクセイはロシアのスーパーソルジャーで、任務のために偽装結婚していた。一家はS.H.I.E.L.D.の追跡を振り切ってキューバに逃亡し、そこでナターシャ
先日の『ジェントルメン』の批評の続編として、こちらのエントリではハーモニー・コリン監督の『ビーチ・バム まじめに不真面目』をとりあげ、さらにマシュー・マコナヘイの「デカチン」的役柄について論じていきたい。この作品はまさにマシューのデカチンキャラクター造形が完全に開花している作品である。 www.youtube.com 主人公である才能豊かな詩人のムーンドッグ(マシュー・マコナヘイ)は、アーネスト・ヘミングウェイが愛したキーウェストの周辺で酒とマリファナでラリラリになり、気が合いそうな女がいれば気ままに口説き、さらにめちゃくちゃ可愛いネコまで拾って楽しく暮らしている。働かずに暮らせるのも全て、マイアミに住む大金持ちの愛妻ミニー(アイラ・フィッシャー)のおかげである。しかしながら娘の結婚式に出席するためにマイアミに戻っている間にムーンドッグとミニーはひどい交通事故に遭い、ミニーが死亡してしまう
『ビーチ・バム まじめに不真面目』と『ジェントルメン』を1日で立て続けに見たのだが、いずれも大金とマリファナを抱えた愛妻家で交通事故に遭遇するマシュー・マコナヘイがデカチンである、というほぼ同じ内容(!?)の作品だった。そして、おそらくこのマシュー演じる役柄のキャラクター造形で最も重要なのが実は「デカチン」なのではないかというような気がしたので、二部構成でマシューが演じる役どころについて、デカチンであるという個性はどういう意味を賦与されているのかについて真面目に考えてみようと思う。まずはガイ・リッチーの『ジェントルメン』からいってみる。 www.youtube.com 『ジェントルメン』はかなりいろいろな人物が出てくる群像劇だが、主役と言ってよさそうなのはマシュー・マコナヘイ演じるミッキー・ピアソンと、チャーリー・ハナム演じるミッキーの部下レイモンド・スミスである。ミッキーはアメリカ出身だ
『クルエラ』を見てきた。往年の有名アニメ『101匹わんちゃん』(1961)に登場するディズニーヴィラン、クルエラ・ド・ヴィルの若き日を描く実写スピンオフである。『アイ、トーニャ』のクレイグ・ギレスピー監督作である。 www.youtube.com 舞台は1960年代半ばから70年代半ばのイギリス(主にロンドン)で、真ん中で黒と白に分かれた髪の毛が特徴でいじめられっ子だが非常にファッションセンスのあるエステラ(別名クルエラ、大人になってからはエマ・ストーンが演じる)がヒロインである。ダルメシアンが関係する悲惨な事故で母をなくしたエステラはロンドンでスリ稼業を営むジャスパー(ジョエル・フライ)とホーレス(ポール・ウォルター・ハウザー)と出会い、泥棒稼業に精を出す。やがてエステラはリバティで働くようになり、デザイナーのバロネス(エマ・トンプソン)に能力を認められてバロネスのメゾンで働くようになる
『SNS-少女たちの10日間』を見た。大変話題になっているチェコのドキュメンタリーである。 www.youtube.com 12歳くらいに見える若作りな大人の女優3人を雇い、リアルな子供部屋のセットを作って子供としてSNSに登録してもらい、どのくらい下心のある大人たちがコンタクトしてくるかを調べるというドキュメンタリーである。コンタクトしてくる大人たち(ほとんど男性)については、目と口だけが見えるようにしたぼかしが顔にかかっていて、一応プライバシーを守るようにしているが、このマスクみたいな隠し方が余計不気味さを醸し出してもいる。もちろんカウンセラーとか性科学者、弁護士などと事前に相談し、出演者にもかなりつらい仕事だということを説明してやっている。しかしながら登録した瞬間から、子供を性的に利用することしか考えていないような悪質な成人男性が大挙して女性陣にコンタクトしてきて、思ったよりもだいぶ
『アンモナイトの目覚め』を見てきた。実在の人物である19世紀の古生物学者メアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)と、やはり実在の人物で地質学者だったシャーロット・マーチソン(サーシャ・ローナン)のロマンスを描いた作品である。監督は『ゴッズ・オウン・カントリー』のフランシス・リーがつとめている。 www.youtube.com ライム・リージスで化石や貝殻を集めて観光客に売る仕事をしている古生物学者のメアリーは、ひょんなことから地質学者であるロデリック・マーチソン(ジェームズ・マッカードル)の妻シャーロットの面倒をみることになる。熱病にかかったシャーロットの看病をきっかけに2人は親しくなり、やがて愛し合うようになる。しかしながらシャーロットは夫ロデリックのもとに戻らねばならず… 主演2人の演技や、海をとらえた撮影の綺麗さについては文句がないのだが、展開じたいはけっこう強引だと思った。メア
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