米国との金利差拡大による通貨安やインフレを防ごうと、主要国中銀は相次いで金融引き締めに踏み切っている。ただ、金利が上れば経済活動は冷え込む。 - 兎の眼

長野恭博 オピニオン 2022年10月23日：日曜版。拝啓、 ロシアへの経済制裁により、世界で「異次元のインフレ」が続く。Ｇ２０で「日米欧」とロシアの対立で、共同声明がまたも見送り。 インドネシアの財務相は記者会見で、急速な金融引き締めで金利上昇やインフレの加速が起きていると指摘した。低所得国だけでなく、新興国や先進国にとっても大きなリスクだと危機感を強調した。 米国との金利差拡大による通貨安やインフレを防ごうと、主要国中銀は相次いで金融引き締めに踏み切っている。ただ、金利が上れば経済活動は冷え込む。 １１月に中間選挙を控えたバイデン政権が、国内の物価高を助長するドル安を容認する兆しはない。欧米諸国は米国の身勝手さに怒っている。 しびれを切らした各国が日本のように為替介入に踏み切り、米中対立で機能不全を露呈している国際協調体制が一層揺らげば、「金融市場の不安定化にもつながりかねない」。 英