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『ヘイトフル・エイト』は何を告発するのか? タランティーノ最高傑作が描くアメリカの闇
「恐らく、これは俺の最高傑作と言えるだろう」 南北戦争終結後のアメリカ、冬の山岳地帯の山小屋を舞台... 「恐らく、これは俺の最高傑作と言えるだろう」 南北戦争終結後のアメリカ、冬の山岳地帯の山小屋を舞台にした密室殺人ミステリー西部劇『ヘイトフル・エイト』 についての、タランティーノ監督自身の発言である。この変則的とも思われる題材の作品が、なぜ彼の「最高傑作」と言えるのだろうか。 クエンティン・タランティーノは弱冠31歳にして撮った『パルプ・フィクション』で、カンヌ映画祭最高賞(パルム・ドール)を獲得し、「映画界の寵児」と呼ばれた、紛れもない天才監督である。いわゆるB級映画を中心とした、自分の愛する映画作品の引用を駆使し、時系列を組み換えながら構成する『パルプ・フィクション』が、まずフランスで大きく評価されたというのは必然的かもしれない。既製品を利用し、全く別の意味に昇華させてしまう芸術分野の手法を、最も的確に映画作品で成功させ、タランティーノ自身もファンだというジャン=リュック・ゴダール監督
2016/03/05 リンク