三島由紀夫の恋人 | Interior

「見出された恋 「金閣寺」への船出」（岩下尚史）を読み終えた。「直面（ヒタメン）」の方を先に読んでしまったがこちらの方が先に書かれており、1冊目を読み終えてから読む順番を間違えたことき気づくなんて全く粗忽な話である。 ともあれ、この2冊はほとんどテーマが同じ（三島由紀夫とかつての恋人だった女性の関係）である。違いは「見出された恋」が実名表記ではないのに対して「直面（ヒタメン）」は実名になっていること、後者は聞き書きの体裁をとっており、前作よりさらに元恋人の言葉を忠実に伝えていること、などであろうか。 三島由紀夫の恋人については、漠然とではあるが知る人ぞ知る事実であったようだ。ただ、２人の3年間に及ぶ交際が実際どのようなものであったかは、「見出された恋」「直面（ヒタメン）」が出版されるまではっきり分からなかったのではないかと推測する。まだ存命である元恋人に実際に会い、何度も取材を重ねて著され