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【平家物語39 阿古屋の松②〈あこやのまつ〉)〜The Tale of the Heike🌊 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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【平家物語39 阿古屋の松②〈あこやのまつ〉)〜The Tale of the Heike🌊 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
福原に着いたのは、六月二十二日である。 一応 備中国《びっちゅうのくに》に流罪と決まり、 瀬尾太郎兼... 福原に着いたのは、六月二十二日である。 一応 備中国《びっちゅうのくに》に流罪と決まり、 瀬尾太郎兼康が警備の任をおびてゆくことになった。 兼康は、とかく、 あとあと宰相から恨まれるのがこわいから、 かゆいところに手の届くような労《いたわ》り方で、 少将の心を何とか慰めようとするのであるが、 少将の方は一日として楽しまぬのである。 彼の心には、 父成親の行方だけが気にかかっていたのである。 その成親は、備前《びぜん》の児島が港に近いという理由で、 備前、備中の境、 有木《ありき》の別所《べっしょ》という山寺に移された。 この有木の別所と、少将のいる備中の瀬尾《せのお》とは、 僅か五十町足らずという目と鼻のあいだであった。 人づてにそのことを聞いた少将は、 どうにもなつかしくなって、ある日兼康に、 「父上のいられる有木の別所まで、何里程のところなのじゃ」 とたずねた。 本当の事をいってはかえ