59歳から将棋の駒作り、わずか７年でタイトル戦採用 「遅咲きの名匠」駒師の遠藤正己さん 私の後半戦（産経新聞）｜ｄメニューニュース

平成３０年の竜王戦で使われた駒と同時に作った「兄弟駒」を手にする遠藤正己さん。羽生善治九段に「すっきりしていて見やすい」と評された＝山梨県都留市（田中万紀撮影） 藤井聡太八冠の誕生で活気づく将棋界。対局に欠かせない駒を作る職人の世界に、「遅咲きの名匠」と呼ばれる駒師がいる。２０回以上の転職を経て、５９歳から修業を開始。わずか数年で一流の仲間入りを果たし、駒師歴７年にして、その作品がタイトル戦に採用される快挙を達成した。還暦目前で新しい世界に飛び込んで名を成すことができたのは、何があっても諦めない心を持っていたからだという。（聞き手 田中万紀） 駒師は集中力と根気がいる仕事です。神経を使う作業は夜に、と決めています。毎日午後７時半ごろから翌午前２時ごろまで。作業部屋に１人でこもり、１辺数センチの小さな木地に印刀で文字を彫り、溝を漆で埋めて磨き、文字の上に漆を盛り上げるように塗り重ねます。１組