名文句生まれた伝説の事件 板垣退助遭難時の短刀展示：朝日新聞デジタル

当館は、板垣退助が岐阜県で刺客に襲われた際の短刀を所蔵している。宇田朋猪（うだともい）（『自由党史』執筆者）によると、当初は岐阜裁判所が保管していたが、巡り巡って、昭和42（1967）年に本市へご寄贈いただいた。 事件は明治15（1882）年4月のこと。岐阜中教院の懇親会で演説を終えた矢先の退助に、短刀を持った刺客が襲い掛かった。流血し倒れ込む退助だったが、直後、「板垣死すとも自由は死せず」と周囲に言い放ったという。 この名文句とともに、事件は伝説的に語り継がれた。錦絵や挿絵の題材として描かれたほか、近年、高知市内の小学校跡地から「板垣」と「相原」（刺客）の泥めんこが見つかった。事件は、子どもの遊具にまで反映されたのである。 さて、「板垣死すとも――」のこの言葉、とっさにしては決まりすぎている気もする。しかし、事件に居合わせた探偵の報告書によると、退助は確かに「吾死スルトモ自由ハ死セン」と