米国債の支払いは継続か、「Ｘデー」後の場合のイエレン長官の選択肢

米連邦債務上限引き上げを巡る与野党の対立で最も差し迫った疑問は、政府の支払いのための資金が底を突いた場合に何が生じるかだ。だが、米財務省はこの疑問に明確な回答を示すことを拒んでいる。 バイデン大統領は、債務上限問題の協議のためにワシントンにとどまる必要があれば、広島で開かれる主要７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）などを欠席する可能性も示唆し、この問題は「唯一最重要の政策課題」（大統領）だ。 過去の事例では、期限まであと数時間に迫ったオバマ政権時の2011年のケースも含め、同省が特例措置を使い切り、支払い義務を履行できなくなる「Ｘデー」が目前に迫っても、ホワイトハウスと議会がデフォルト（債務不履行）回避の対応で常に妥結してきた。 しかし、今回は事情が異なるかもしれないと専門家の一部は指摘。ゴールドマン・サックス・グループは基本シナリオとしてＸデーの前後１日での決着を予想し、期限を１日過ぎる可能性