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社会正義による「樋口毅宏の著作回収事件」を考える | レビュー | Book Bang -ブックバン-
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社会正義による「樋口毅宏の著作回収事件」を考える | レビュー | Book Bang -ブックバン-
予告どおり、樋口毅宏『中野正彦の昭和九十二年』(以下『中野正彦』)の回収事件について考えたい。意... 予告どおり、樋口毅宏『中野正彦の昭和九十二年』(以下『中野正彦』)の回収事件について考えたい。意想外にも、石戸諭による論説「〈正論〉に消された物語」が『新潮』3月号に出たので参照しよう。 『中野正彦』は昨年12月17日に発売が予定されていたが、直前も直前16日に、版元であるイースト・プレスが回収を発表した。これだけでも異常な事態だが、輪を掛けて異常な光景がツイッターでは展開していた。 担当編集者M(男性)の「見本できました。(中略)何事もなく書店に並びますように」というツイートに、同社の女性編集者Kが食ってかかったのだ。 ヘイト本が自社から出されようとしているが、抗議しても担当編集者は聞く耳を持たない、「助けてください」と、MとLINEで交わした問答のスクショまで晒して訴えたのである。 『中野正彦』は、安倍晋三を「お父様」と崇拝するネトウヨ青年の日記の体裁で書かれたディストピア小説である。