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脳から見る多言語の自然習得 - 教養学部報 - 教養学部報
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脳から見る多言語の自然習得 - 教養学部報 - 教養学部報
梅島奎立・酒井邦嘉 学生を含め日本人の多くは、英語などを「外国語」として長年勉強してきたのに「ほと... 梅島奎立・酒井邦嘉 学生を含め日本人の多くは、英語などを「外国語」として長年勉強してきたのに「ほとんど話せない」という問題を抱えている。まして多言語を話すとなると特殊な能力だと思われがちだが、ヨーロッパやアフリカ・アジアの多民族地域では多言語環境が日常的であり、新たな言語の習得でもそれほど大きな苦労はないようだ。世界では半数から三分の二の人々が少なくとも二言語を日常的に使用しており、多言語環境の方が「自然な状態」であると言えよう。 思春期あたりから新たな言語の習得が難しくなるという「臨界期仮説」が一般に知られるようになって久しい。一方でそれは第二言語の積極的な使用をしなかったり、単語の記憶や読み書きの勉強に頼ったりする環境が原因との指摘もあり(酒井邦嘉著『勉強しないで身につく英語』PHP出版、二〇二二)、臨界期の科学的証拠は乏しい。そもそも言語能力、特にその核心となる文を生成する能力には、