廃棄糸 新たな価値紡ぐ 多田製紐（福井県勝山市）：北陸中日新聞Web

組みひもの製造 組みひも製造の多田製紐（せいちゅう）（福井県勝山市）は、捨てられる糸を使って新たな組みひもに仕上げる事業に取り組んでいる。製造の過程で出てしまう廃棄物を問題視していたという担当の多田寛さん（４５）は、不用品に新たな価値を与えて活用する「アップサイクル」について、「小規模の町工場でも誰かと組むことでできることがある」と明るく話す。 工場では製紐機にセットされた複数の糸が交互に重ね合わさって、１本の組みひもが出来上がっていく。製品が完成した時点で少しずつ糸が余ることは珍しくなく、それら廃棄する糸が材料になる。 多田さんは市内の織物会社に１０年間勤めた後、父が代表を務める同社に８年前に入社。長年、繊維業界に身を置く中で、大量の産業廃棄物を「少しでも減らしたいという思いがあった」と話す。そこで、勝山市地域おこし協力隊で地域のブランドづくりなどに携わる山崎瑠美さんと協力して、２年ほど