『生きて』 バレリーナ 森下洋子さん（１９４８年～） ＜２＞ 出合い

父準（ひとし）さん、母敏子さんの長女として広島市で生まれた。６歳下の妹と２人姉妹で、江波（現在の中区）で過ごした 私が生まれたのは、広島に原爆が投下されてから３年後です。でも焼け跡はあまり覚えていません。それだけ復興が進んでいたのでしょう。当時の人たちのすさまじい努力とたくましさがあったのだと感じています。覚えているのは、自宅近くの川で遊んだこと。水着を着て浮輪を持って、よく泳ぎに行っていました。 実は子どものころ、すごく体が弱かったんです。夜中にしょっちゅう、町のお医者さんの所に行っていました。医者からは「何か運動をさせたら」と言われたそうです。ちょうどそのころ、自宅の目の前にある幼稚園でバレエ教室が始まりました。とにかく丈夫になってほしいと、両親は考えたのでしょう。３歳の時に習い始めました。 バレエと縁のある家族はいませんから、運命だった。もし教室が近くになくても、どこかで出合っていた

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「実は子どものころ、すごく体が弱かったんです。医者からは「何か運動をさせたら」と言われたそうです」「とにかく丈夫になってほしいと、両親は考えたのでしょう。３歳の時に習い始めました」。