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近代農業思想史
農業問題は奥が深いが、現実に行われている農業論は「農業は遅れた産業である、もっと競争原理を入れて... 農業問題は奥が深いが、現実に行われている農業論は「農業は遅れた産業である、もっと競争原理を入れて規模拡大せよ」など、うわべの議論が横行している。このような状況のもと、本格的農業思想史が刊行されたのは意義深い。 21世紀の農業像を展望 本書は、ケネーからレスター・ブラウンに至る農業論(思想)を辿り、今後の農業・農学を展望した。膨大な農業・農学思想を振り返ったうえで、著者は人間にとって工業製品を相対的必需品、農産物を絶対的必需品と呼び、今後の農業・農学について「生産の農学(経済価値)」、「生命の農学(生態環境価値)」、「生活の農学(生活価値)」を統合した「場の農学(総合的価値)」を提唱する。農業と工業、人間と自然、都市と農村の結合としての地域複合社会の建設である。 産業革命は分業を可能にした工業革命であり、人類にとっての利便性の追求であったが、これによって誕生した資本主義経済は、命の糧を提供す
2013/08/12 リンク