消えたＪカーブ効果？：“双子の赤字”化への内外の懸念：小島明のGlobal Watch 日本経済研究センター

日本は財政の大赤字に加えた対外取引の総合的な収支である経常収支も赤字という“双子の赤字”に転換するのではないかとの懸念が内外に浮上している。“双子の赤字”化は、日本が財政の赤字を国内の貯蓄だけではファイナンスできない状況になることを意味する。「米国は双子の赤字を何十年も続けているではないか」との指摘もあるが、基軸通貨であるドルの国と、そうでなくローカル通貨でしかない円の国とでは、状況は根本的に異なる。 内需依存型の今回の景気回復 内閣府が2月17日発表した2013年10～12月期の国内総生産（ＧＤＰ）は実質ベースで年率1.0％増となった。4四半期連続のプラス成長で、景気回復が続いていることを示すが、従来と違って内需依存型の回復であり、外需による寄与度がマイナスになったことが注目される。 内需主導の回復となった背景は輸出が円安のもとでも伸び悩む一方で、消費税率引き上げ前の駆け込み消費需要に加