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現存在分析と生物学的精神医学
精神分裂病と躁うつ病に代表される内因性の精神疾患が, 心の病気なのか身体 (脳) の病気なのかは, 前世... 精神分裂病と躁うつ病に代表される内因性の精神疾患が, 心の病気なのか身体 (脳) の病気なのかは, 前世紀における精神医学の誕生以来繰り返し論じられてきたことである。心理派の精神医学は内因性精神病の心因論を主張するのに対して, 身体派は身体 (器質) 因論を主張してきた。しかし両派とも対立意見に無頓着でいられなかったことも事実である。そしてそれは, 外因性でも心因性でもないこの疾患の成因が物質的な身体次元や心理・社会的次元に単一的に還元されえず, 常に心身統一的な観点を要請してきたことに起因する。ところで心理派の精神医学の代表は精神分析であり, 身体派は生物学的精神医学と総称される。とはいえ, この両陣営への分裂は, あくまで心か脳かへの重点の配分を反映したものにすぎず, 実際の臨床行為においては両派の距離はかなり緩和される。問題は心身統合の方法論の不備にある。そして, この点で, 当初か