需給ギャップのプラス化と満たされたデフレ脱却4条件：政府はデフレ脱却宣言に慎重、日銀金融政策には影響せず

NRI トップ ナレッジ・インサイト コラム コラム一覧 需給ギャップのプラス化と満たされたデフレ脱却4条件：政府はデフレ脱却宣言に慎重、日銀金融政策には影響せず 内閣府の推計で需給ギャップはプラスに 内閣府の推計によると、経済全体の需給関係を示す需給ギャップ（（実際のGDP－潜在GDP）/潜在GDP）は、最新値の2023年4－6月期で＋0.4％と2019年7－9月期以来、15四半期（3年9か月）ぶりにプラスに転じた（図表）。金額で見れば2兆円程度のプラスである。 これは日本経済の改善傾向を裏付けるものではあるが、留意すべき点が２つある。第1に、4－6月期の需給ギャップが前期の－0.9％から一気にプラスに転じたのは、同期の実質GDP成長率（一次速報）が前期比年率＋6.0％と予想外に高い成長率となったからである。しかしこれは、輸入の大幅減少による一時的な現象によるところが大きく、7－9月期は

[maturi]

政府はデフレ脱却のために積極的な政策を続ける姿勢を有権者にアピールすることで、政治的な求心力を高める戦略を今まで続けてきた。（）「デフレ脱却」は見果てぬ夢である方が、政治的には都合が良い