【外信コラム】アイ・ラブ・ニューヨーク 見事な復活劇の陰に

右肘故障で戦列を離れていた米大リーグ・ヤンキースの田中将大投手が最近、７５日ぶりに復帰し勝利した。試合後、彼が球場のクラブハウスで着替えのため上半身裸になっている姿を見かけたが、右肘をかばい満足に上半身のトレーニングなどできないだろうという想像は見事裏切られた。 重戦車を思わせる分厚い体は健在で、ゴルフのドライバーで３４０ヤードもかっ飛ばすと噂される源である背筋部の盛り上がりは壮観。強靱（きょうじん）な肉体に加え、２カ月間の精神面の充実も好発進の理由だっただろう。その陰には、松井秀喜元選手の盟友であるジーター主将がいるのは間違いない。 人格者として知られ、米国中から愛されるジーター選手は春季キャンプ時から「マークン」と愛称で呼び、緊張感を解いた。報道陣が田中投手を囲んで取材していると、外からときどき「スゴイジンセイ！（すごい人生）」との声もかかる。ジーター選手特有のいたずらなのだが、苦笑い