エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
記事へのコメント0件
- 注目コメント
- 新着コメント
このエントリーにコメントしてみましょう。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
- バナー広告なし
- ミュート機能あり
- ダークモード搭載
関連記事
新潮 2022年8月号 | 新潮社
序章 雪の中から いまから四半世紀前の初冬のことだった。 ある寒い日の午後、私は東北新幹線に乗り、... 序章 雪の中から いまから四半世紀前の初冬のことだった。 ある寒い日の午後、私は東北新幹線に乗り、東京から盛岡に向かっていた。 仙台を過ぎ、盛岡に近づくにつれ、重く垂れ込めていた空から雪がちらつきはじめた。 それにぼんやり眼を向けているうちに、不意に胃の辺りが収縮するような感じを覚えた。 痛みとは違う。仕事で初めての人を訪ねるとき、その直前に決まって味わうことになる、一種の緊張感からくるものだ。 私は、その日の夕方、盛岡で初めて会う人を訪ねることになっていた。 確かに、いつでも、初めての人と会うときは緊張する。その人がどのような人なのか、どのように話が流れていってくれるのか。何年、何十年と、人と会うことから始まる仕事を続けながら、いつまでも慣れることのない緊張をする。 その日、私が会うことになっていたのは、西川一(かず)三(み)という名の、あと二、三年で八十歳になろうかという老人だった。