＜2021かながわ 取材ノートから＞（1）県の新型コロナ対応 市町村との役割分担 課題：東京新聞 TOKYO Web

今年の神奈川県内の新型コロナウイルス感染者は十六日までに計十四万八千二百二十人、死亡者は千四十人に上った。新規感染のピークは八月二十日の二千八百七十八人。緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置など、年間の半分以上は県民の生活に制限がかかっていた。 県の対策は年明け早々の宣言要請から始まった。一月二日、黒岩祐治知事は菅義偉首相（当時）と電話で対峙（たいじ）。県幹部によると、宣言の適用を求める知事に対し、慎重な立場だった菅氏は「話が違う」と激高。知事は「県民の命を守る選択をする」と告げ、一都三県の四知事で要請文を出した。知事選初出馬の際に自身を擁立した菅氏に逆らうことは「相当な覚悟だったはず」と県幹部は推し量る。 五月には、高齢者へのワクチン接種を巡り「菅首相を輩出している県として絶対命題だ」として、七月末に完了させるよう号令をかけた。市町村から「接種を担う人材が足りない」などと反発があったが、